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漁具・漁法

大昔からの長い年月の中で、人間は知恵をしぼり改良を重ねて、漁具や漁法を育ててきました。 魚のすんでいる海の層や回遊するときの習性に合わせたいろいろな道具。 船でひいたり、群れをさそい込んだり、まき餌をしたり、集魚灯をつけたりするさまざまな方法。 さらに漁具や機械装備には多くの科学や技術がふんだんに生かされているのです。 現代の漁具を大きくわけると、網漁具、釣漁具、雑漁具の3つになります。 また、漁法は詳しくわければきりがないくらい種類が豊富ですが、 静岡県下で見られる主なものは、次のようになります。

かつお一本釣
1隻の船に多くの船員が乗り、生きたイワシをまいて、 カツオやビンナガマグロを船にひきつけ、疑似餌で釣る漁法です。 現在は自動式つり機も開発され実用化しています。
(遠・沖)
まぐろはえなわ
幹縄に多数の枝縄をつけ、この先の釣針に餌をつけて海に投入、 数時間後に、かかったマグロ・カジキを引き上げる漁法で、 縄の長さは100Kmにも及びます。
(遠・沖)
たてなわ釣
キンメダイ・ムツ・メダイなど100〜700mの底魚類をとる漁具で、 1本の幹縄に釣針のついた多くの枝縄をつけ、 海面から海中におろして魚を釣りあげます。
(沖・沿)
曳きなわ釣
疑似餌をつけた釣糸を、漁船から流して、曳きまわし、 マグロ、カジキ、ブリ、カツオ、サワラなどという 比較的大型の魚類を釣りあげます。
       
(沿)
いか釣
たくさんの疑似餌をつけた釣糸を船から海中に垂直におろし、 それを上下に揺らしていかを釣ります。 夜間には、船に集魚灯をともしてイカを引き付けて釣り上げます。
(沿)
潜水漁法
素潜りまたは潜水器を使用して水中にもぐり、 テングサやアワビ、サザエなどの海藻類や貝類をとります。 伊豆地区や榛南地区で多く行われています。
(沿)
カジキ突棒
魚見台の上から魚群を発見したら、船を魚の背後から近づけます。 そして、突き台の船員たちが、魚をめがけて銛竿を投げつけて獲る勇壮な漁法です。
(沿)
まき網
1隻または2隻の船で、魚群を包囲してから網をしぼり、 一度に大量の魚をとる漁法です。イワシ、アジ、サバ漁が主体ですが、 カツオ、マグロ漁にも使われます。
(沖・沿)
棒受網
昼・夜間、まき餌や集魚灯で海の表層に魚を集め、 船から四角い網を張り出してすくいあげる漁法です。 主にサンマ、アジ、サバをとる時に多く使われます。
(沖)
タモすくい網
夜間、灯火やまき餌によって、魚を船の近くの表層に集め、 大きなタモですくいあげる漁法です。 主に伊豆七島近海などのサバ漁が対象になります。
(沖・沿)
船曳網
1隻または2隻の船で、海中に流した網を30〜40分間曳き、 海の中層を泳いでいる魚をとる漁法です。 シラス(イワシの稚仔)やサクラエビを漁獲します。
(沿)
底曳網
底の部分が、海底に接するように仕組まれている網を曳いて、 海底にすんでいるエビ類やカサゴ類をとる漁法です。                              
      
(沖・沿)
刺網
魚やエビの群が移動する進路に網を張って、網目に刺させたり、 からませたりしてイセエビ、クルマエビ、ヒラメ、マダイ、キス、 カマスなどを漁獲します。
(沿)
定置網
産卵のためや、餌を求めて回遊する魚の通り道に、 岸から沖に向けて垣根状の網を張りめぐらせて置き、 魚群をこの網の中に導き入れてとる漁法です。
(沿)